理学療法士がスキルアップする方法|資格の取得で知識と技術を磨く!

理学療法士は国家資格の一つで、2013年12月末時点の資格登録者数は11万人を超えていえます。
国家試験の受験者数は徐々に増えており、今後は個々の能力やスキル、経験が問われる時代になっていくのではないでしょうか。
理学療法士としてスキルアップするには、「いかに自分の価値を高めることができるのか?」がポイントとなります。
ここでは、理学療法士の人向けに、スキルアップにつながる資格についてご紹介します。


1)理学療法士としてスキルアップする方法
2)スキルアップ方法1:認定理学療法士を目指す
3)スキルアップ方法2:専門理学療法士を目指す
4)スキルアップ方法3:関連資格を取得する
5)一人一人のスキルアップが業界の成長にもつながる

理学療法士としてスキルアップする方法

ひと言でスキルアップといっても、さまざまな考え方や方法があります。

一体どのようにしてスキルアップすればいいのか、ここでは主なものをご紹介します。

理学療法士としての将来を見据えて、管理職に就くことを考えるのであれば、スキルアップは欠かせないものになっていくでしょう。

そのためには積極的に各種の勉強会やセミナーなどに参加して、新しい知識を身に付け、自身の治療技術や臨床推論能力を向上させていくことが必要です。

また、日本理学療法士協会の研修プログラムを修了することで得られる「認定理学療法士」や、認定理学療法士を取得した人を対象としている「専門理学療法士」などの資格取得を目指すという考え方もあります。

認定理学療法士と専門理学療法士はどちらも、理学療法士としての能力を向上させるために設けられたもので、一定の基準を満たすことで取得が可能です。

動作リハビリテーションに関わる知識だけではなく、患者さんにとってプラスに働く資格を取得するというのも、有意義な考え方の一つです。

例えば、「介護支援専門員(ケアマネジャー)」や「3学会合同呼吸療法認定士」「福祉住環境コーディネーター」などの資格取得が挙げられます。

スキルアップ方法1:認定理学療法士を目指す

認定理学療法士とはどのような資格で、どうすれば取得できるのか、お伝えします

【認定理学療法士とは?】

「公益社団法人日本理学療法士協会」によって定められている資格で、理学療法士の中から特に実力のある人材を育て、理学療法士の社会的価値を高めるとともに、理学療法の進化や発展を目的としてつくられました。

2016年4月時点での資格取得者数は1958名(公益社団法人日本理学療法士協会調べ)となっており、これは同協会会員総数の2%程度に過ぎません。

資格取得者数がまだ少ないことから、この資格を取得することに大きなメリットが期待できるようにも思えますが、給料などを含めた待遇面の変化はあまりないといわれています。

また、資格を取得したら終わりではなく、更新する際にも学会参加やレポート提出などが必要で、それなりの費用と手間がかかります。

これは裏を返せば、それだけ勉強をして自身のスキルを高めていないと取得し続けることができない資格なので、「優秀な理学療法士」として周囲からは判断されやすいと考えられるでしょう。

認定理学療法士の資格を持ち続けると、自身のスキルを高めることにもつながるといえます。


【取得する方法】

認定理学療法士の資格を申請するには、「新人教育プログラム修了(または免除)」「専門分野の登録後2年以上経過」「申請領域の認定必須研修会を受講」「協会指定研修の受講」「各領域の履修用件に即して100ポイントを取得」「事例・症例報告・レビューレポート10例」など、一定の条件を満たす必要があります。

条件を満たして初めて認定試験の受験をすることができるのです。

資格取得までにかかる費用としては、まず理学療法士協会の会員に登録していることが条件のため、入会金5000円、協会費1万1000円(免許登録年度の加入は割引あり)、都道府県会費4000〜1万2000円、受験料7560円、及び各研修会の受講費(数千円〜数万円程度)などが必要となります。

スキルアップ方法2:専門理学療法士を目指す

専門理学療法士は認定理学療法士とどのような違いがあるのでしょうか。資格の詳細と取得方法を見ていきましょう

【専門理学療法士とは?】

認定理学療法士と同じく、公益法人日本理学療法士協会の定める資格です。認定理学療法士の上位資格に当たります。

認定理学療法士が臨床的な要素の強い資格であるのに対して、専門理学療法士は各分野における学術的な活動に寄与する人材に与えられる資格といえるでしょう。

2016年4月時点での資格取得者数は1792名(公益社団法人日本理学療法士協会調べ)です。

専門理学療法士の資格も取得したことによって待遇面はあまり変わらないといわれています。ただし、認定理学療法士以上に取得が困難な資格ですから、相応のスキルアップは見込めるでしょう。


【取得する方法】

申請条件としては、「新人教育プログラムを修了(または免除)」「専門分野(基礎理学療法、神経理学療法、内部障害理学療法など)登録から5年以上が経過」「各領域で設定されたポイント560ポイントを取得」などが挙げられます。

なお、履修要件として必要な560ポイントのうち、学会に参加する場合は参加費用がかかります。

申請条件を満たしたら、必要な申請書類を提出し、申請料(1分野1万800円)を支払います。その後、審査に合格すると認定書が発行されます。

スキルアップ方法3:関連資格を取得する

認定理学療法士や専門理学療法士以外に、関連資格を取得することでスキルアップをはかりたいという人も少なくないでしょう。ここでは、「3学会合同呼吸療法認定士」「福祉住環境コーディネーター」「介護支援専門員(ケアマネジャー)」をご紹介します

【3学会合同呼吸療法認定士】

「特定非営利活動法人 日本胸部外科学会」「一般社団法人 日本呼吸器学会」「公益社団法人日本麻酔科学会」から選出された「3学会合同呼吸療法認定士認定委員会」によってつくられた認定資格です。

理学療法士の資格があり、2年以上の実務経験(免許登録日から申請書提出日まで)を有している必要があります。

条件を満たしていたら、認定講習会を受講(受講料2万円)し、試験(受験料1万円)を受けて合格すれば、3学会合同呼吸療法認定士の称号が与えられます。

この資格は国家資格ではないことから、取得して何か新たな医療行為ができるようになるわけではありません。

しかし、呼吸リハビリテーションが必要とされる場面などで、資格取得の過程で身に付けた知識と技術を活かせるでしょう。


【福祉住環境コーディネーター】

高齢者や障害者の人たちに対して、バリアフリーを含めた安全で住みやすい住環境の提案を行う民間資格です。

資格を取得するには、東京商工会議所が主催する、3級〜1級の試験に合格する必要があります。

受験料は3級が4320円、2級が6480円、1級が1万800円です。

理学療法士は患者さんの在宅復帰をサポートするのも仕事です。

そのため、福祉住環境コーディネーターの資格を取得すれば、住環境についてもあわせて提案ができるようになるでしょう。


【介護支援専門員(ケアマネジャー)】

介護に関する専門職で、2000年に介護保険制度が制定された際につくられた、公的な資格です。

要介護・要支援の人やその家族などから相談された際に、それぞれの状況に対して適切な介護サービスが受けられるようケアプランを作成し、総合的なマネジメントを行います。

保険・医療・福祉分野の国家資格を持ち(理学療法士も含まれます)、実務経験が5年以上あり、なおかつ当該事業に900日以上従事しているなど、定められた条件をクリアしている場合に、まず介護支援専門員実務研修受講試験を受けることができます。

受験料は各都道府県によって異なりますが、大体7000〜9000円前後です。

試験に合格した上で実務研修(87時間以上)を修了すると、介護支援専門員証が交付されます。

取得によってスキルアップにつながりますし、働き先の幅を広げることができるでしょう。

一人一人のスキルアップが業界の成長にもつながる

理学療法士になった後に、新たに資格の取得を目指すということは簡単な道のりではありません。

しかし、新たな資格取得は自身のスキルアップにつながりますし、患者さんにとってより信頼できる存在になることができます。

また、資格の取得がキャリアアップにつながったり、転職時に有利な条件となって働いたりする可能性もあります。

一人一人がさらなるスキルアップを目指していくことが、ひいては業界全体のスキルアップにもつながっていくでしょう。



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