幼稚園教諭の給料と平均年収を教えて!保育士と違いはあるの?

幼稚園教諭の平均月収や年収は、すでに幼稚園の先生として働いている人にとっても、これから求人を探して就職する人にとっても気になるところです。
実際、幼稚園教諭の月収や年収は、どのくらいなのでしょうか。
また、幼稚園教諭と似ている職業の保育士ではどちらが多いのでしょうか。
この記事では、厚生労働省が発表している統計データを基に幼稚園教諭の給料について見ていくとともに、給料アップの方法をお伝えします。


1)幼稚園教諭の平均給料
2)短時間労働の場合の給料は?
3)給料をアップするには?
4)幼稚園教諭の給料は勤め先が鍵

幼稚園教諭の平均給料

幼稚園教諭の平均給料

まずは幼稚園教諭の平均給料をご紹介します。基にしているのは、厚生労働省による「平成28年賃金構造基本統計調査」の結果です

【幼稚園教諭全体の平均給料】

「全体」なので、公立幼稚園・私立幼稚園を問わず、新人からベテランまで幅広い層の男女を含んだ月給の平均額です。

正規の職員として勤めた場合、毎月「きまって支給される現金給与額」の平均は、22万9000円です。

なお、「きまって支給される現金給与額」というのは手取りではなく、税金などが差し引かれる前の額を指しています。

年間賞与を見ると、平均は64万5300円です。

では、年収はどれくらいになるのか、月収12カ月分に年間賞与をプラスして計算してみましょう。


22万9000(円)×12(カ月)+64万5300(円)=339万3300(円)


よって、幼稚園教諭の平均年収は、約339万円と考えることができます。



【女性幼稚園教諭の平均給料】

では、女性に限った場合は、どうでしょうか。

月収の平均は22万5700円、年間賞与の平均は63万1300円なので、平均年収は次のように計算できます。


22万5700(円)×12(カ月)+63万1300(円)=333万9700(円)


約334万円です。幼稚園教諭全体の平均と比べると、少し下がっています。

【男性幼稚園教諭の平均給料】

男性の場合も見ておきましょう。

月収の平均は29万7700円、年間賞与の平均は94万4500円なので、計算式に当てはめてみると次の通りです。


29万7700(円)×12(カ月)+94万4500(円)=451万6900(円)


推定される平均年収は約452万円となります。女性だけの場合に比べると差がありますが、もともと男性の幼稚園教諭は人数が少ないので、参考程度にとらえておくと良いでしょう。


【保育士と比べると?】

同じく子ども相手の専門職である保育士の給料と比べるとどうでしょうか。

その前に、幼稚園教諭と保育士の違いについて簡単にまとめてみましょう。


保育士とは

「児童福祉法」の下、保育所で子どもを預かり、保護者に代わって子どもを養育するのが保育士の仕事です。

保育所には公立・私立、認可・無認可などがあり、預かる子どもの対象年齢は0歳〜就学前までです。保育士として働くためには「保育士資格」が必要で、管轄は厚生労働省となっています。


幼稚園教諭とは

「学校教育法」の下、子どもの健全な成長のための教育を行うのが幼稚園教諭の仕事です。「教諭」のため、小学校や中学校の先生と立場は同じです。

幼稚園には公立と私立があり、3歳〜6歳までの未就学児が入園の対象となります。

幼稚園教諭として働くためには「幼稚園教諭免許」を取得します。

学んだ学校により「一種免許状(4年制大学)」「二種免許状(短期大学や文部科学省が定める専門学校など)」「専修免許状(大学院修士課程や専攻科)」の3種類があり、管轄は文部科学省です。


保育士全体の平均給料

保育士全体の平均月収は、22万3300円、年間賞与の平均は58万8200円です。

幼稚園教諭と同じように計算すると、平均年収は326万7800円と推定されます。

金額だけ見ると、幼稚園教諭のほうが、わずかですが上です。


女性保育士の平均給料

女性保育士に限って見てみると、月収は22万1900円、年間賞与は58万4200円が平均です。

推定される平均年収は、計算すると324万7000円です。

やはり若干ですが、幼稚園教諭のほうが高いといえます。


男性保育士の平均給料

幼稚園教諭同様、参考までに男性保育士の給料についても見ておきましょう。

平均月収は24万8300円、年間賞与は65万7600円、平均年収の推定額は363万7200円です。

男性の場合、幼稚園教諭のほうが、推定平均年収で90万円近く上回る結果となっています。


※参考:厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査(一般労働者)」

短時間労働の場合の給料は?

正規の職員ではなく、パートやアルバイトなど、短時間労働で働く幼稚園教諭もいます。この場合の給料についても見ていきましょう

【パート・アルバイトの平均給料】

パートやアルバイトで幼稚園教諭の職に就いた場合の平均給料は1時間あたり1100円です。

1日あたりの実労働時間の平均が5.4時間、平均実労働日数が18.3日となっていますから、「平均時給×平均実労働時間×平均実労働日数」の計算式で、大体の月収を計算してみましょう。


1100(円)×5.4(時間)×18.3(日)=10万8702(円)


約10万9000円の月収が得られると推定できます。


【女性の場合】

女性に限って見てみると、平均時給が1091円、実労働時間数の平均が5.4時間、実労働日数の平均は18.3日です。

この数値を上記の計算式に当てはめて計算すると、おおよその月収は約10万8000円となります。

【男性の場合】

男性の平均時給は1694円、実労働時間数の平均が5.3時間、実労働日数の平均が15.4日となっています。

上記の計算式に当てはめると、大体の月収として考えられる額は、約13万8000円です。


【保育士と比較すると?】

パートやアルバイトで勤務する保育士の給料は、どれくらいなのでしょうか。

幼稚園教諭同様、保育士全体と、男女別で見てみましょう。


保育士全体の平均給料

保育士全体で見た場合、平均時給は1049円、実労働時間数の平均が5.6時間、実労働日数の平均が16.9日です。

これらを掛け合わせると約9万9000円となります。

単純に比較はできないものの、幼稚園教諭のほうが、1万円前後上回ります。


女性の場合

女性の場合は平均時給が1048円、実労働時間数の平均が5.7時間、実労働日数の平均が16.9日で、そこから推定される月収は約10万1000円です。

金額だけ見れば、わずかながら幼稚園教諭のほうが上という数字になります。


男性の場合

男性に限ってみると、時給の平均が1260円、平均実労働時間数が4.3時間、平均実労働日数が18.1日で、おおよその月収は9万8000円と考えられます。

こちらも単純には比較できませんが、金額だけ見ると、幼稚園教諭とは開きがあります。


※参考資料:厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査(短時間労働者)」

給料をアップするには?

給料の金額はできれば少しでもアップしたいもの。その方法について考えてみましょう

【幼稚園教諭の昇給事情】

厚生労働省の「平成28年賃金構造基本統計調査」で、女性幼稚園教諭の年齢別平均月収を見ると、20歳〜24歳の「きまって支給する現金給与額」は19万4200円です。

しかし、年齢別の推移を見ると、30歳〜34歳も22万3200円と金額差はあまりありません。

年齢を50代まで広げてみても、55歳〜59歳でも25万6500円と大きな変化は見られないという状況です。

一概には言えませんが、幼稚園教諭は年齢とともに給料が上がりにくい職業であると考えられます。


【給料アップの道1:転職する】

幼稚園の給料は、勤務する幼稚園によって差があります。

大きなくくりでいうと、公立幼稚園に勤務するか、私立幼稚園に勤務するかです。


公立幼稚園は待遇が良い

公立幼稚園に勤務する場合、幼稚園教諭の扱いは公務員です。

ほかの職種の公務員と同じように昇給もあれば、賞与、いわゆるボーナスの支給もあります。

初任給だけを見れば私立幼稚園とさほど変わらないといえますが、昇給があるので、勤続年数が増えるほど月収がアップします。福利厚生や待遇も充実しています。

採用試験は市区町村ごとに行われますが、上記のような理由で公立の幼稚園教諭は長く勤める傾向にあります。

そのため募集人員が少なく、倍率も高くなるというのが現状です。

人員補充が必要なければ、募集自体が行われないこともあります。

公立幼稚園への就職を目指すなら、公務員試験の勉強を進めつつ、採用案内を定期的にチェックしたり、問い合わせたりして確認すると良いでしょう。


私立幼稚園は幼稚園によって待遇が変わる

私立幼稚園の場合、給料やボーナスの額に関しては、経営状態や園の規模によって異なるのが実情です。

給料もボーナスも高い幼稚園があれば、ボーナスではなく手当という形で支給する幼稚園、給料が低くボーナスがない幼稚園など、待遇はさまざまです。

なお、提示された給料は良くても、勤務時間が長い、休みが取れないなど、ほかの問題が待ち受けている場合もあります。

転職を考える際は、給料や待遇だけで判断せず、園の経営状況、業務のサポート体制などもしっかり確認することが大切です。


【給料アップの道2:保育士の資格を取得する】

「認定こども園」の設置や、幼稚園での延長預かり保育など、保育士資格のニーズが高まっており、資格を取っておくと働き口が広がったり、昇給につながったりする可能性があります。

保育所と幼稚園、両方の機能を備えた「認定こども園制度」は平成18年(2006)にスタートしました。

ところが、平成27年度に施行された新しい「幼保連携型認定こども園」では、幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を持っている「保育教諭」が必要ということになりました。

そこで、新しい「認定こども園制度」への円滑な移行と促進に向けて、資格取得の特例制度が設けられています。

これは現在幼稚園教諭の資格を持っている人が保育士の資格を取りやすくするための制度で、条件を満たせば、保育士試験が全科目免除になるなどの優遇措置があります。

特例が適用されるのは平成31年度末までですが、待機児童問題の解消など、これからも保育士の需要が見込まれることをふまえると、資格を取っておいても損はないでしょう。

幼稚園教諭の給料は勤め先が鍵

幼稚園教諭は年齢とともに給料が上がりづらく、平均年収は保育士よりも少し高いくらいです。

しかし、公立の幼稚園、あるいは経営状態のしっかりした私立幼稚園に就職できれば長く勤められますし、昇給も望めます。

保育士の資格を取って認定こども園でキャリアを磨いたり、幼稚園の園長を目指したりすることで収入を上げるという道もあります。

幼稚園教諭は子どもの成長に携わる素晴らしい仕事です。

仕事をしていく中には、お金だけでは得られないものもあるでしょう。

せっかく幼稚園教諭の資格を取得したのですから、「給料が良くない」と悩んでいる人は、勤め先の見直しや保育士資格の取得などを検討してみてはいかがでしょうか。



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