理学療法士の給料事情|高齢化で活躍の場が拡大中!今後はどうなる?

時代や景気の影響を受けにくく、安定した収入が見込めるイメージの理学療法士。
理学療法士は、日常生活を送るのが難しい人や高齢者らの運動機能を回復させるためにリハビリテーションを行うのが仕事です。
超高齢化社会の到来で、活躍の場が年々広がっています。
では、理学療法士の給料はどれくらいかご存じでしょうか?活躍の場が拡大するのに伴い、給料などの待遇面も年々良くなっているのでしょうか。
この記事では理学療法士として働く人はもちろん、理学療法士に興味がある人向けに、平均給料や将来性、長く働き続けるコツなどをご紹介します。


1)理学療法士とは?
2)理学療法士の平均給料はどれくらい?
3)需要高まる理学療法士の今後
4)理学療法士として働き続けるコツ
5)理学療法士として、より長く働き続けるために

理学療法士とは?

理学療法士の給料事情についてご紹介する前に、仕事内容をあらためておさらいしておきましょう


【理学療法士の仕事内容】

理学療法士とは、Physical Therapist(PT)とも呼ばれているリハビリテーションの専門職であり、国家資格です。

病気やけがなどで日常生活を送ることが難しくなってしまった人や、生まれつき体に障害がある人、高齢で体の機能が衰えた人らを対象に、運動機能が回復するよう治療や訓練を行います。

理学療法士はよく作業療法士と比較されることがありますが、理学療法士は主に、寝返りを打つ、体を起こす、立ち上がる、歩くといった、日常生活における基本的な動作を一人でできるように患者さんのサポートを行うのが仕事です。

一方、手芸や園芸、創作活動などの作業を通して、リハビリテーションを行うのが作業療法士です。

理学療法士との違いは、心のリハビリも行う点で、患者さんには精神障害がある人も含まれます。

どちらの職種も患者さんの生活の質を向上させるのに欠かせない存在ではありますが、特に理学療法士は、患者さんが自分らしい生活を送るための最初のステップとして、日常動作の基盤を作り上げる大切な役割を担っています。


【理学療法士になるには】

理学療法士になるには、理学療法士の国家試験を受け、合格する必要があります。

文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した大学や短期大学、あるいは専門学校などの養成施設で必修課程を3年以上学ぶと、国家試験の受験資格を手にすることができます。


【理学療法士の受験者数は年々増加している】

理学療法士の受験者数は年々増加傾向にあります。

平成18年は約6000人だった受験者数は平成23年に1万人を超え、平成28年に実施された試験の受験者数は1万2515人でした。

そのうち合格者数は9272人となっています。

受験者数増加の背景には、高齢者の増加によるニーズの拡大があるのは間違いないでしょう。

合格率は7割以上と比較的高いように思えますが、試験内容は簡単なものではありません。

養成施設の在学中にどれだけ専門知識を蓄えられるかが、合否を左右する鍵となります。


※参考:厚生労働省「第51回理学療法士国家試験及び第51回作業療法士国家試験の合格発表について」


理学療法士の平均給料はどれくらい?

理学療法士の平均給料を見てみましょう。データは厚生労働省発表の調査結果を基にしています


厚生労働省が発表した「平成28年度賃金構造基本統計調査」によると、理学療法士・作業療法士として働く男性と女性(企業規模10人以上)を合計した平均月収は28万700円、年間賞与の平均が70万1200円で、そこから推定される平均年収(月収×12カ月分+年間賞与)は406万9600円となっています。

男性の平均月収は28万8800円、年間賞与の平均が72万4800円、平均年収は419万400円です。一方、女性の平均月収は27万1600円、年間賞与の平均が67万4500円で、平均年収は393万3700円となっています。

なお、人事院が発表している「平成28年職種別民間給与実態調査の結果」を見ると、理学療法士の平均月収は29万6769円となっています(数値は男女計のみ)。

また、人事院のデータを年齢別に見ると、20歳から32歳までの平均月収が約26万円、32歳から44歳までの平均月収が約33万円、44歳以上の平均月収が約42万円となっています。

このことから、経験を積んで昇給したり、管理職に就いたりすることで、平均年収よりも多く収入を得られると考えられます。


※参考:
厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」

人事院「平成28年職種別民間給与実態調査の結果」


需要高まる理学療法士の今後

医療現場や介護福祉施設をはじめとして、理学療法士は活躍の場が広がっています。具体的に見てみましょう


【理学療法士の需要は高まっている】

医療職である理学療法士は景気変動の影響を受けづらく、常に一定の需要がある職種です。

さらに、近年の高齢化の影響によって、高齢者をサポートする理学療法士のニーズは拡大傾向にあります。

これまで職場となっていた医療現場やリハビリテーション病院だけでなく、介護施設や福祉施設にも活躍の場が広がっており、患者さんの自宅に訪問して行う「訪問リハビリテーション」などもあります。


【診療報酬が削減傾向にある】

こうしてみると、理学療法士は安定した収入が得られ、社会貢献性も高く、魅力的な職業であるように思えますが、懸念点もあります。

例えば、診療報酬が削減傾向にあるということです。

診療報酬とは、医師が患者さんを診察した際に医療保険から医療機関(病院などの施設)に支払われる料金のことを指し、2年に1回のペースで厚生労働省により金額の見直しが行われています。

高齢化の影響により医療費が増え続けているなどの理由から、診療報酬は徐々に削減傾向にあるのが現状です。

理学療法士をはじめ医療機関で働くスタッフの人件費は、診療報酬の中から支払われます。

このまま理学療法士になる人が増え続け、診療報酬が下がっていくと、給料水準が下がる可能性もあるので、今後の動向には注意が必要です。

理学療法士として働き続けるコツ

せっかく国家資格を取得したなら、長く働き続けたいもの。女性の場合は結婚や出産を機に休職することがありますが、復帰は可能なのでしょうか?理学療法士として働き続けるコツをご紹介します


【キャリアアップを目指す】

患者さんの良きパートナーといえる理学療法士になるためには、経験を積んで技術を身に付けることと、時代に合わせて変化する医療を学び続ける姿勢が大切です。

国家資格を取得した後も積極的に勉強会や講習会に参加するなどして、常に新しい知識を取り入れていきましょう。

また、高齢者の数が増加すれば、介護施設で働くこともあるでしょう。

そういうケースを考えて、介護関連の知識を身に付けて専門性を高めるのも良いでしょう。


【休職後は復帰できるか?】

理学療法士として働く女性の中には、他の職種と同様に、結婚や出産を機に退職する人もいます。

しかし、理学療法士の資格は一度合格すれば永久的なものなので、休職後に再び現場復帰できるチャンスは大いにあります。

病院以外にも、介護福祉施設や訪問リハビリテーション、地域の保健センターなど、理学療法士の働く場が広がってきていることもあり、自分のライフスタイルに合わせて働き方を決めることもできるでしょう。

また、理学療法士が働く職場は女性が比較的多いので、出産や子育てに対する周囲の理解が得られやすいということも復帰しやすい理由の一つです。

理学療法士として、より長く働き続けるために

国家資格である理学療法士は取得に時間がかかるものの、一度資格を得てしまえば更新の必要はなく、一生ものの資格です。

景気に強い医療職であることに加え、高齢化に伴う需要の拡大が予想できることから、理学療法士はこの先も安定した就職が期待できます。

結婚や出産により一度仕事を離れた後も、自分の生活に合わせたスタイルで現場復帰しやすいという点は、女性にとって嬉しいポイントです。

より長く働き続けたいのであれば、講習会に参加して勉強したり、介護関連の専門知識を身に付けたりして、自身の技術を高めていくよう努めましょう。





    Twitter    Facebookでシェアする    LINEで送る