歯科衛生士の給料相場はどれくらい?職場・年齢・地方での違い

歯科衛生士は、歯科クリニックや総合病院で歯科医師の診療をサポートし、患者に口腔ケアの指導を行うなど歯科診療では欠かせない存在です。
専門性の高い知識と技術が要求される口腔ケアのスペシャリストともいうべき仕事であり、働くためには国家資格が必要です。
では、歯科衛生士の給料相場はどれくらいかご存じでしょうか。
今回は歯科衛生士の人向けに、給料の相場について、年齢や地方での違いも含めてご紹介します。


1)歯科衛生士とは?
2)歯科衛生士の平均給料
3)年齢や地方で給料に差はある?
4)パート・アルバイトの平均給料は?
5)歯科衛生士は安定して働ける職業

歯科衛生士とは?

まず歯科衛生士の仕事内容と、歯科衛生士になる方法、就職先や歯科助手との違いについてご説明します


【主な仕事内容】

歯科衛生士は「歯科予防措置」「歯科診療補助」「歯科保健指導」の3つを主な仕事としています。

「歯科予防措置」とは、患者の歯と歯ぐきの間に詰まった歯垢・歯石の除去やフッ素の塗布などを行い、歯や口腔内の疾患を防ぐことです。

「歯科診療補助」では、患者の唾液の吸引を行ったり、器具の消毒や準備をしたりして、歯科医師の診療や診断をサポートします。

また、病院や学校などに出向いて、虫歯や歯周病予防のための口腔ケアを指導する「歯科保健指導」も歯科衛生士の業務の一つです。

他にも、こまやかな気配りや心遣いによって、歯科治療に対する患者の不安や恐怖を解消する役割も持っています。


【歯科衛生士になる方法】

歯科衛生士になるためには国家資格が必要です。

患者の口腔内に触れて処置を行うため、国が認定した専門学校や短期大学、大学などの歯科衛生士養成機関で3年以上学び、知識と技術を身に付けます。

病理学や薬理学、口腔衛生学などの専門分野を学ぶだけでなく、実際に歯科医院やクリニックに出向き、歯科治療の現場を体験する臨床実習も行います。

学校を卒業すると歯科衛生士国家試験の受験資格が得られ、試験に合格すれば歯科衛生士免許証が授与されます。


【勤め先】

歯科衛生士の就職先としては診療所が90.5%と最も多く、一般歯科や小児歯科のほか、審美歯科やインプラント・口腔外科で働くことがほとんどです。

病院では口腔外科手術の準備や補助のほか、入院患者に対して口腔ケアを行ったり、市町村の保健センターで衛生指導や歯科予防の相談窓口を担当したりする場合もあります。

それ以外には、歯科材料メーカーなどの企業で働くこともあります。


【歯科助手との違い】

同じ歯科医療の現場で働く歯科衛生士と歯科助手にはどのような違いがあるのでしょうか。

歯科助手は必要な資格がなく、主な業務は歯科医師の診療補助や診察に必要な器具のセッティング、受付業務などです。国家資格を持っていないため、歯垢や歯石の除去といった口腔内に手を入れる医療行為は禁止されています。

歯科衛生士法に基づいた国家資格を持つ歯科衛生士と、国家資格を持たない歯科助手とでは担当できる業務範囲が異なります。



※勤め先の数値参考:厚生労働省「平成26年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」

歯科衛生士の平均給料

歯科衛生士の平均給料を見てみましょう。数字などは厚生労働省発表の調査結果に基づいています


【男性、女性の歯科衛生士の平均給料】

厚生労働省が発表した「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、男女合わせた歯科衛生士の平均月給は、26万2000円です。

賞与の平均は年間で40万2300円となっていますので、年収を推定すると平均354万6300円(平均月給×12カ月分+年間賞与)となります。

女性の平均月給は25万7800円、賞与の平均は年間で39万3400円なので、推定年収は348万7000円です。

歯科衛生士の人数は女性が多く男性はまだ少ないものの、男性の平均月給は40万4000円で、年間賞与の平均が92万7800円ですので、推定される年収は577万5800円です。


【歯科医師や歯科技工士と比べるとどうなのか?】

歯科医師の平均月給は68万6300円、賞与の平均は年間で33万4000円となっていますので、平均年収は推定856万9600円です。

男女別に見ると、男性の平均月給は71万7700円、女性の平均月給は60万9400円となっています。

一方、歯科技工士の平均月給は32万6500円、賞与の平均は年間で42万2600円、年収にすると平均434万600円となっています。

男女別ですと、男性の平均月給は34万9300円、女性の平均月給は24万6600円です。

歯科医師は、他の専門分野の医師同様、給料は比較的高額です。

年齢や地方で給料に差はある?

年齢別、地方別に見た歯科衛生士の給料をご説明します


【年齢別に見た歯科衛生士の給料】

厚生労働省の「平成28年賃金構造基本統計調査」の年齢別の項目(女性のみ)を見ると、歯科衛生士で最も労働者数が多いのは20代であることがわかります。

歯科衛生士の20代の平均月給は、20歳〜24歳で23万6300円、25歳〜29歳で25万2500円です。

推定平均年収は、20歳〜24歳が306万3600円、25歳〜29歳が342万5400円となっています。

20代の次に労働者数が多いのは30歳〜34歳の層ですが、平均月給は24万9300円とやや下がり、35歳〜39歳は平均月給が25万5500円となっています。

34歳までの人数が多いのは、結婚や出産といったライフスタイルの変化により、30代半ば以降に常勤で働くのが難しい人が増えてくるためと考えられます。

40代の平均月給は40歳〜44歳が27万6200円、45歳〜49歳が27万6800円です。

最も平均月給が高いのは55歳〜59歳の31万800円です。

勤務先の歯科医院によっても差はありますが、歯科衛生士の給料自体は高給ではなく、著しく低くもないといえるでしょう。


【地方別に見た歯科衛生士の給料】

勤務先の状況や集計人数に違いがあるため、一概には比べられないものの、地方によって平均月給に差があります。

最も高いのは山形県の32万7000円で、次いで神奈川県の32万1800円ですが、平均年齢が38.8歳(山形県)、37.9歳(神奈川県)と高いことも平均金額に影響していると考えられます。

続く石川県も、平均月給が31万4300円で平均年齢は49歳、栃木県は29万5600円で平均年齢が51.9歳となっており、平均月給が高いところは平均年齢も高くなっているため、単純比較するのではなく、あくまで参考にとどめてください。

なお、東京都は29万2400円で、平均年齢は35.6歳です。

平均月給が最も低かったのは大分県の17万6900円で、平均年齢は28.5歳です。



※参考:厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」

パート・アルバイトの平均給料は?

パートやアルバイトの歯科衛生士として働いた場合、給料はどのくらいなのでしょうか。1時間あたりの平均給与などをご紹介します


【歯科衛生士の平均時給】

パート・アルバイトなどの短時間労働で働いている歯科衛生士の平均年齢は43.4歳です。

実労働日数平均は12.1日、1日当たりの労働時間は平均5.4時間となっています。

1時間あたりの平均給与額は1541円、年間賞与が3万800円です。

集計人数に差はありますが、男女別に見てみると、男性歯科衛生士の短時間労働者の平均年齢は32.6歳で、1時間当たりの平均給与は1065円です。

一方、女性は平均年齢が43.7歳で、1日当たりの平均給与は1556円と、労働者数の多い女性のほうが平均給与額は高くなっています。

では、国家資格が必要なほかの職業と歯科衛生士の1時間当たりの平均給与を比較してみましょう。


【看護師と薬剤師に比べるとどうなのか?】

歯科衛生士と同じように、資格取得者の中で比較的女性が多い看護師と比較してみます。

パートやアルバイトとして働いている看護師の1日当たりの労働時間は平均6.0時間、1時間あたりの平均給与額は1696円となっています。

男女別に見ると、男性の平均時給は1776円、女性の平均時給は1695円です。

看護師よりも歯科衛生士のほうが、平均時給は少しだけ低くなっています。

では、薬剤師と比較するとどうでしょうか。

薬剤師の1日当たりの労働時間は平均5.8時間、1時間あたりの平均給与額は2196円となっています。

男性は平均時給が2203円で、女性は平均時給が2195円です。

薬剤師の平均時給は、歯科衛生士と看護師よりも高い傾向にあります。


【歯科医師や歯科技工士と比べてどうなのか?】

パートやアルバイトとして働いている歯科医師の1日当たりの労働時間は平均6.2時間で1時間あたりの平均給与額は4767円となっています。

男性の平均時給は5208円、女性の平均時給は3987円です。

短時間労働の場合でも、歯科医師の時給は歯科衛生士より高額であるといえます。

歯科技工士は1日当たりの労働時間は平均6.5時間、1時間あたりの平均給与額は1825円です。

男女別に見ると、男性の平均時給が2227円、女性の平均時給が1360円となっています。



※参考:厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」

歯科衛生士は安定して働ける職業

歯科衛生士の働き先は歯科医院が一般的ですが、病院や保健センターなどにもニーズはあります。

歯科医院では歯科衛生士が不足しており、年齢が若ければ若いほど就職先には困らないといわれています。

ただし、待遇は歯科医院によって異なりますので、雰囲気なども含めてきちんと確認したほうが良いでしょう。

また、一生ものの資格なので、結婚や出産などでライフスタイルが変わっても復帰しやすい職業です。

歯科医師などに比べると給料は決して高額ではありませんが、年齢とともに徐々に上がります。女性が安定して働き続けられる、魅力ある仕事といえるでしょう。


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